横着者の玄関の鍵問題・紛失の心配のないキーレス錠に交換

生来横着者なので荷物を持って出掛けることが酷く億劫だ。小さなバッグですら持ちたくない。
渋谷のハチ公口で文庫本を読みながら友人を待っていると、相変わらず何も持ってないねぇ、と言われた。多少心外だったもののよくよく周りを見てみると手ぶらの人はおらず、そそくさといつもの調子でジーンズの尻ポケットに文庫本を入れると更に友人に笑われた。
夢や希望を詰め込んでいるわけでもないのに財布や携帯で埋まったポケットに鍵を入れる余地などないし、ともすれば何かを取り出したときにポロッと落ちてしまう。東京の喧噪の中では金属とコンクリートが鳴らす音など聞こえない。
実際、鍵を落としたこともある。しかも出張先での紛失で、部屋に戻ったのが夜中だったため一晩近所の漫画喫茶で過ごした。翌朝、管理会社に電話をして合い鍵をもらい何とかあの時は入れたが、片田舎、とも言うのさえ烏滸がましい山の中に住むとそうはいかない。
しかも、都心生活では無かった車の鍵というものが増える。今はスマートキーになりわざわざ取り出さなくとも車は開けられるがサイズがそこそこ大きい。ひとまとめにしておけば無くす心配はなさそうだが車が不要の時でもあの大きなスマートキーを持ち歩かねばならないし、そもそもポケットに入り切らない。
簡単に外せるようにしておけば万事解決するのだが生来の横着者と冒頭で言ったように取り外してまた取り付けるのが面倒臭い。
まぁ家の前を通る人など1日に1人いたら良い方というような場所なので鍵を掛けないという手もあるが、それではあまりに不用心であり、外出先でも気が気ではなくなってしまう。
別荘として使っていて貴重品の類い無いならばそれでも良いかもしれぬが、生活をしていればそういう訳にもいかない。

それで鍵を持たなくとも済む方法を考えた。
古典的な方法は敷地内のどこかに隠しておくという方法だ。未だ多くの家庭で行なっているかもしれない。が、この方法は精神衛生上好ましくない。横着者のわりに悲観的なのだ。
次に賃貸物件の内見でよく見るが、ドアノブに専用ボックスを取り付けて入れる方法。

暗証番号を入れれば鍵が取り出せる。これは良さそうだが、ここ鍵が入ってますアピールが半端ないし、鍵を結局このケースに入れたり出したりしなければならずそれが面倒…。

そこで同じような、もうちょっとスマートなものはないだろうかと探したところ、電気錠に辿り着いた。
そういえば知人の豪邸の鍵はピッピッピッと表示された番号を押して開ける電気錠だった。
ICカード型というのもある。これだったら財布に入れられそうだ。
と物色していたところ、はたと気付く。これ停電などで電気止まったらどうなるの、と。
調べてみると結局その場合は開けるための物理キーが必要だということ。そうなると普段不要なのに万が一のためだけに物理キーを持ち歩かねばならない。隠しておく、というのは避けたい。車に入れておくという手もあるが、車のキーを持っていなければアウト。とことん横着者でとことん悲観的。

それで辿り着いたものがメカニカル構造のキーレス錠。鍵が不要で電気も使わない。
会社内部のドア(銀行の客側と出納側の扉)や裏口などに取り付けられている出っ張ったボタンで暗証番号を押して開けるタイプの鍵だ。
家の玄関ドアを多少調整すれば付けられるし、電子錠のように電源も不要。
いくつかのメーカーから発売しているようだが実績のある長澤製作所のキーレックスにする。銀行でよく見るのもここの会社のものっぽい。

キーレスなので紛失の心配もないし、ピッキングもされない。
自動施錠タイプもあるが、ちょっと玄関を出ただけで暗証番号を入力しなければならないのは煩わしいので自動施錠無しの片面タイプに。

(↓自動施錠タイプ。鍵付き、ドアノブ付き)

取り付け作業は簡単だった。2カ所ドリルで穴を空けてネジで固定するだけ。受箱も指定の大きさ程度にドリルで窪みを作り、角面を取ってはめ込み、ネジで締めるのみ。
ちなみにドリルで均等な深さで穴を空けるにはテープなどでマーキングをするか、アタッチメントを付けると楽。

室内側のパネル内部で暗唱番号を設定し完了。
これで鍵の持ち歩きから解放された。
鍵を持ち歩きたくないという理由からの導入だったが、ふらりと家族が遊びに来たものの生憎不在で暗唱番号教えて入って待っててもらったり(帰宅してみるとゲームしていたが…)と1年ほど使っているが想定以上に何かと便利。
物理キーと違って暗証番号を任意に変更できるし、別荘や部屋をシェアする場合にも使えそう。

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