北欧フィンランド・ヘルシンキの自動車事情

車好き、というよりはモータースポーツ好きにはどこか憧れる国フィンランド。F1ワールドチャンピオンに、ミカ・ハッキネン、キミ・ライコネン、昨年チャンピオンを獲得した直後に電撃引退したニコ・ロズベルグの父ケケ・ロズベルグ(ニコは母親のドイツ国籍)。WRCでも、三菱、トヨタ、スバルで参戦したトミ・マキネンやユハ・カンクネンがいる。今年のF1にも、先に挙げたキミ・ライコネン、今年からメルセデスへ移籍したバルテリ・ボッタスと上位に2人現役ドライバーがいる。
人口550万人に満たない国でどうしてこれほどまでモータースポーツに強いのか。また、積雪や凍結のある山の中で暮らす身としては、より厳しい環境である北欧で乗られているのはどんな車種が多いのか。
そんなこともあり、旅行中も道行く車をどうしても目で追ってしまう。

メーカー

ヨーロッパのEU加盟国ということもあり、ヨーロッパ圏のメーカーが勿論多い。
最も多かったのはメルセデス。タクシーにも使われているので見かけることが多く、日本で言えばトヨタみたいな感じだろうか。次もドイツ車でフォルクス・ワーゲン。続いて、ボルボ、ルノー、シュコダ、オペルあたり。シュコダなんて日本では全く見ないし、オペルも15年くらい前はアストラなどを見かけたけれど、日本から撤退してしまったために今ではかなりレア。他にも、同じEU圏のフィアット、プジョー、ランドローバー、アルファロメオやアメリカのフォードもそれなりに走っている。SAABは思ったよりも少なかった。
何れにしても自動車好きとしては走っている車を見ているだけで楽しい。
意外だったのが、韓国メーカーの起亜が多いこと。何となく、日本人の感覚からすると信頼のおけない気もするが、北欧という厳しい環境でもかなり走っているので性能も良いのだろう。

日本メーカー

「世界のトヨタ」というだけあってかなり見かける。車種も日本名で言えば、ファンカーゴや初代ビッツ(欧州名ヤスリ)からCH-Rやランクルまで新旧様々な車種が走っている。
低気温環境だとリチウムイオンバッテリーの運用が難しいからかプリウスは殆ど見かけない。
一番多かったのはオーリスのワゴン(欧州名:オーリスツーリングスポーツ)。タクシーでも使われており、メルセデスと二分している感じ。サイズ的にも扱い易そうで日本の道路事情にもマッチするのではないだろうか。逆に欧州イメージで日本で売っているハッチバックのオーリスなんて殆ど見かけない。ワゴンのためのデザインかというくらいワゴンの方が断然格好良い。
トヨタというかレクサスもそこそこ走っている。
次は日産。ルノーと提携しているため販路があるのだろう。といっても、見かけるのはほぼキャッシュカイ。こちらも前出のオーリスワゴンと同じで日本未発売。個人的に日本で売っていたらアクセラではなくてキャッシュカイにしただろうと思う。サイズ感、走行性能、荷室とどれをとってもベストな選択。日本の地方の道路事情から考えてもあのコンパクトなサイズは非常にマッチすると思うのだが。デュアリスはデザインと広告に失敗して売れなかっただけで、車そのものは結構好評価を聞くし勿体ない。
その次にマツダか。何故か一世代前のアクセラやアテンザを良く見る。現行車は少ない。
続いてスバル。こちらはマツダとは対照的にフォレスターやアウトバックなどの現行車を見る。今後増えそう。
あとは三菱とスズキというところか。この2社は4日間いてそれぞれ2〜3台見かけた程度。

日本未導入のRAV4とキャッシュカイ


エクステリアが断トツに格好良かったのは、トヨタRAV4と日産キャッシュカイ。どちらも日本では販売していない。
見た目もさることながらサイズも排気量も日本の道路事情に合っている。どちらも前モデルでの販売不振によって、それぞれハリアー、エクストレイルに吸収されてしまったが、時代のニーズを捉えられなかっただけではないだろうか。
現状のラインナップとしては、RAV4はハリアーとC-HRの間、キャッシュカイはエクストレイルとジュークの間という、現行ラインナップを喰ってしまう可能性もあるので導入が難しいということもあるかもしれないが、C-HRなんてSUVとは呼べない代物だし、ジュークもAWDはターボのハイオクというあの車格には合わないパワートレイン。こんな見た目だけの似非コンパクトSUVではなく、RAV4とキャッシュカイを導入して欲しい。価格にもよるだろうけど、現行ラインナップの間に入る価格ならば、結構ヒットしそうだけどな。
まぁ、そうなるとマツダが暗黒時代に再突入してしまいそうな気はするが。

番外

ヘルシンキから船で2時間半で行けるエストニアのタリン旧市街地ではテスラのモデルSを見かける。黒ずくめのスーツでサングラスを掛けたモデルかと思えるような金髪男性が運転しており、後部座席からこれまたモデルかと思われるような女性が降りてきた。大使館が多く集まる場所だからだろうか、高級車が多かったが、若者の旅なのか、たまにボロボロのホンダ・フィット(欧州名ジャズ)が迷い込んできてもいた。
また、ヘルシンキではボルボ製のクレーン車が幾つもあった。VOLVOってロゴが付いているとなんだかそれだけで堅牢な感じがするのは日本人の特有か。勿論、コマツなんかもあった。
トラックやバスのメーカーはよく分からなかったが、日野や三菱ふそう、いすゞとかのエンブレムは見なかった。

まとめ


取材でもなんでもない個人旅行なので、道すがら見かけたレベルでしかないし、車種の知識もかなり偏っているため(スポーツクーペ寄り)、特に海外メーカーの大衆車の車種名が分からずメーカーの情報になってしまったが、兎に角、古いものから新しいものまで、様々な車が走っているのは、車好きの国だなぁ、と思う。
ヘルシンキだけではなく、もっと北の方へ行けばまた違っただろうか。
にしても、あまり洗車はしなのね。

ヘルシンキの旅行ガイド

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